漢方相談ビフォーアフターを紹介するコーナーです。
20代で骨髄異形成症候群(MDS)発症。発症時の血小板値は8万台。
以後は定期的な血液検査で経過観察している。
発症時から血小板値の減少傾向と倦怠感があったが、30代に入り、血小板値が3万台に下がりひどい倦怠感と背中の痛みがでるようになる。背中の痛みで眠れないこともあったため整形外科を受診するが原因はわからなかった。
漢方薬で体を整えて、まずは背中の痛みや倦怠感を改善し、できれば血小板数の低下を防ぎ輸血や服薬をせずに過ごしていけるようにしたい。
漢方薬を飲み始めてまもなく背中の痛みが消失。
漢方薬を体質に合わせながら継続。
当初ひどい倦怠感が続いていたが徐々に軽減。食欲が回復し食事が美味しくなる。
普段の生活習慣などにも気を付けながら漢方で体質改善したおかげもあって
血小板値の減少傾向が改善。
体力面・精神面ともに安定し、日常生活を問題なく過ごせるまで回復。
整形外科ではわからなかった背中の痛みの原因ですが、中医学では骨髄異形成症候群(MDS)の本質は腎精虚であり、腎精が不足すると、骨髄が空虚となり腰や背中の真ん中あたりがだるくて痛むようになるためであると考えられます。
骨髄異形成症候群(MDS)の症状改善の場合、本来なら腎精虚を改善するために補腎を真っ先に行うのですが、相談者は脾虚(胃腸機能が弱っている状態)がひどかったため健脾をまず行いました。脾虚がひどい場合は、胃の負担がある補腎の生薬を使うと、脾虚が改善されないだけでなく腎虚も改善しません。健脾去痰をして胃の状態を改善しながら、段階的に補腎の生薬を使っていきました。
骨髄異形成症候群(MDS)は回復することはなく、進行性の病気だと考えられています。相談者は若年で発症した方であり、QOLが下がらないように生活していくことを望んでいます。
年齢や程度にもよると思いますが、漢方薬を上手に使用すれば体質を改善して症状を緩和できると考えます。
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